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AI時代に評価され続けるエンジニアは、何を“意識している”のか:「Human Capital +」コラボ

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AIを使えば、一定水準のアウトプットには、誰でも短時間でたどり着けるようになりました。

エンジニアやフリーランスの仕事においても、調査、整理、設計といった工程は、以前より格段に効率化されています。

その一方で、

「仕事は本当に前に進んでいるのか」

そんな違和感を覚える場面はないでしょうか。



今回TECHBIZメディアでは、Human Capital + に掲載された

「デザイン思考の限界とAIの罠 : 情熱か、効率か。人間の仕事の本質を問う——ブランドン・ヒル氏インタビュー」を紹介します。

AIやデザイン思考の可能性だけでなく、その限界や危うさにも踏み込んだこのインタビューは、エンジニア/フリーランスの働き方を考えるうえでも、重要な問いを投げかけているように感じました。

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AIで「正解」に早く辿り着ける時代に、仕事は本当に前に進んでいるのか

AIを活用すれば、アイデアや方針について「それらしい答え」をすぐに得ることができます。

しかし、そのスピードは、本当に仕事を前進させているのでしょうか。

インタビューの中で、ブランドン・ヒル氏は次のように語っています。

デザイン思考をずっとやっていく中で、基本的にはヒット商品を生み出すとか、イノベーションを起こすことがゴールになっているんですが、なかなか生まれないケースが結構多いんです。

よく見ると、何が足りなかったかというと、やる人のパッションや思いの強さだったりするんです。

デザイン思考を教科書的になぞっちゃうと、うまくいかない場合があります。AIの良くない部分の最たるものが、模範解答を出しちゃうことです。



TECHBIZメディアとしてこの言葉を読んだとき、

問題はAIやフレームワークそのものではなく、

「考える前に納得してしまう構造」にあるのではないかと感じました。

模範解答が先に提示されることで、

本当にやりたいかどうかを自分に問い直す前に、

「これでいい」と一度結論に辿り着いてしまう。

その結果、仕事を押し切るためのエネルギーや当事者性が、

静かに削がれていく——

ブランドン・ヒル氏の発言は、そうした可能性を示唆しているようにも読めます。

AIはどこまで使うべきなのか——線を引くのは誰か

では、AIは使わない方がいいのでしょうか。

インタビューでは、その問いに対しても、具体的な視点が示されています。

例えば、ユーザーリサーチをするときに、質問リストのブラッシュアップ、ターゲットユーザーのリファイン、ユーザーリサーチの録画録音からサマリーを作る。そういうのだったら良いと思います。

でも、アイデア、戦略、仮説、結論みたいなところをAIに出させちゃうと、すごく引っ張られちゃうから、そこはあえて一回AI抜きにしておいた方が良い。自分の頭で考えるところは残した方が良いと思います。



ここで語られているのは、AIを使うか使わないかではなく、

「どこを人が引き受けるのか」という線引きの問題です。

効率化できる部分と、自分の頭で悩み、決めるべき部分。

その境界を誰が決めているのかは、働き手自身に委ねられているようにも感じられます。

評価される仕事とは何か——AIにはできないこと

インタビューの終盤で、ブランドン・ヒル氏は、人間の仕事の本質についてこう語っています。

AIには永遠にできないことが2つあると思います。信頼性を作ることと、責任を取ることです。最終的に人と人の信頼関係を構築することと、何かうまくいかなかった時に責任を取ることは、未来永劫AIはしなさそうだなと思うんです。



効率や正解が重視される時代にあっても、最終的に評価されるのは、

誰がその仕事に向き合い、結果を引き受けているのかなのかもしれません。

この言葉をどう受け取るかは、読む人それぞれに委ねられています。

今回ご紹介したHuman Capital + 掲載記事はこちら

Human Capital + は、「人的資本の社会的共有で企業に新しい価値をプラスする」という思想のもと、人材をコストではなく資本として捉え、価値を高めていく視点を発信するメディアです。経営層・人事担当者が短期/中期で活用できる全社を巻き込む経営戦略から、明日使えるHRノウハウまで実践的なインプットを提供しています。

今回はその中から、デザイン会社 btrax 代表/The AI Collective 日本代表である ブランドン・K・ヒル氏へのインタビュー記事を紹介いたしました。

全文は、ぜひHuman Capital + の元記事でご確認ください。



編集後記

AIを使えば、仕事は速くなります。正解らしきものにも、簡単に辿り着けるようになりました。

それでも、

「なぜそれをやるのか」

「本当に自分がやりたい仕事なのか」

といった問いは、AIが代わりに答えてくれるものではありません。

ブランドン・ヒル氏の言葉を読みながら強く感じたのは、AI時代だからこそ、仕事に向き合う姿勢がより可視化されていくということでした。

効率よく進めることも大切です。一方で、迷い、考え、引き受ける姿勢は、これからの時代、より評価される要素になっていくのかもしれません。



このインタビューが、エンジニアやフリーランスとして働く中で、一度立ち止まり、自分の仕事との距離を考えるきっかけになれば幸いです。

執筆者

キム ジンヨン

キム ジンヨン

韓国出身韓国生まれ。日本の大学を卒業し、ITエージェントに入社。 営業としてITエンジニアの転職支援を3年ほど経験し、ITフリーランスエージェントであるTEHCBIZにフリーランスとして参画。今はマーケティング部に所属し、TECHBIZメディアの管理及びライティングを担当。

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